先日、「衣生活材料学」で、衣服内気候などについて学習しました。その際、お話したことを紹介します。
ヒトは発汗することで体温の上がりすぎを防いでいます。汗が皮膚表面に滞ると汗がかけなくなります。
このため、汗を素早く吸収することが涼しさを得るポイントになります。
裸では皮膚表面の汗を吸収するものがないので、かえって暑く感じてしまいます。
これは、夏場に吸湿性の悪い素材の衣服を着用している場合も同様です。衣服内の湿度が高くなり、汗をかくことができなくなります。
また、空気は暖められると軽くなる性質があります。
衣服を着用すると身体で暖められた衣服内の空気は上昇し、首元などから放出されます。
これを煙突効果といいます。
夏場は首元や裾を大きく開けた「ゆとり」のあるデザインの衣服を着用すると首元から暖まった空気が放出され、暖まっていない空気が裾から入ってくるという空気の流れができ、放熱効果がアップします。
つまり、夏場は「吸湿性や吸水性のある素材」で、「ゆとりを意識したデザイン」が涼しく過ごすのにおススメです。
どうしても裸で過ごしたい場合は、水浴びなどで、クールダウンしてくださいね。
<参考文献>
消費者の視点からの衣生活概論 菅井清美・諸岡晴美 編著 井上書院 p.62-64 (2013)