皆さんの周りに高齢者の方はいますか?
その方々の毎日の食事はどのような内容ですか、尋ねてみたことはありますか。
もしかすると、「歳をとったので、あっさりとしたものを食べるのが良い」とか、「歳をとったら肉よりも魚の方が良い」と思っていませんか。
油料理や動物性脂肪の多い食品は、年齢と共に嗜好がわかれ、好きな人と、あまり食べない人がはっきりしてくる傾向があります。
あまり食べない人の中には、「食べない方が健康的」とまちがった考え方をしている人もいます。
食べすぎは肥満のもとですが、不足しているのも問題です。
高齢者の場合、健康ならば、アルブミンというたんぱく質(血液中にあるたんぱく質のひとつ)が血液100ml中に4~5g含まれています。
このアルブミンの量や、栄養状態の良し悪しが、免疫力や生活機能、生存率に大きくかかわっています。
アルブミン値を増やすには、肉や卵、乳製品などの動物性たんぱく質食品が大切です。
同じたんぱく質でも、食品によりアミノ酸の構成レベルが異なります。人間の体に近いアミノ酸組成を持つたんぱく質食品をとるのがベストです。
植物性たんぱく質食品ではアルブミンは増えません。サッパリした食事(植物性たんぱく質の摂取)に偏らないようにすることが健康を保つうえで重要です。
だから、動物性たんぱく質食品である「肉」を食べることは、高齢者の生活機能の維持に大いに役に立ち、長生きできるというわけです
(資料:NPO法人生活・福祉環境づくり21・日本応用老年学会編著(2013)『高齢社会の道案内ジェロントロジー入門』 社会保険出版)