京都ノートルダム女子大学 福祉生活デザイン学科
衣服学領域の、「"衣生活"研究室」のゼミ研究を紹介します。
研究タイトルは「美容行為と自己肯定意識との関連」
大学生になると、就職活動や卒業後の社会人の身だしなみのひとつとして美容行為が求められる機会も増えます。「美容」は容姿を美しくすることと定義されています。
先行研究より、美容や化粧による心理的効果には、リラックス効果や気分が高揚する、安心するなどの対自的効果の他に、自己肯定意識が向上する対人的効果もあることが明らかになっています。
本研究は、女子大生を対象に美容に関する意識と実態を明らかにし、
自己心理学の観点から美容がもたらす心理的効果について検討を行いました。
女子大生122人を対象に、質問紙調査により、①美容行為への意識 ②美容行為についての興味の度合い、認知度、経験の有無 ③美容行為のイメージ ④性格特性(自己愛的脆弱性尺度を用いて)を調査しました。
結果、
女子大学生は美容行為の効果に期待し肯定的で積極的に行っていることが明らかとなりました。また、自己愛的脆弱性と美容行為数との関係があることが示唆されました。
つまり、何か自分に不安なことや心配事、精神的に不安がある時に、身近な人に理解、助けて欲しい、頼れる相手が欲しいと感じる思いが高い人ほど、美容行為の数が多いということです。
このことから、美容行為は自己に対する不安感を和らげ自己肯定意識の向上につながっていることがわかりました。