65歳以上を高齢者とみなす生物学的根拠はない

京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科

2018年06月27日 07:00

「65歳以上を高齢者とみなす生物学的根拠はない。」
 
歳をとると、様々な身体的機能変化が起こります。

例えば、身長低下、体重減少、頭髪の抜け毛、白髪、歯が抜ける、皮膚のしわ、乾燥、弾力の低下、白斑、筋力の低下、筋肉量の減少、栄養障害、主観的疲労感、日常生活活動量の減少、などなどです。

日本では65歳以上を高齢者としていますが、それはどういう根拠によるものでしょうか。

実は,世界保健機関(WHO)が「歴年齢の65歳以上」を高齢者と定義しており,わが国もこれに従い慣例的に65歳以上を高齢者としてきたからなのです。

また,74歳以下を前期高齢者,75歳以上を後期高齢者というように区分して呼ぶことがありますが,これには医学的,生物学的な根拠があるわけではないのです。

現在の高齢者においては10~20年前と比較すると,歳をとることによる「身体的機能変化」は5~10年遅く現れるようになってきています。

20年前の70歳と現在の70歳の人を比較すると,同じ70歳でも現在の70歳の人の方が若く,元気です。

65~74歳を「准高齢者」(准高齢期pre-old),75~89歳を「高齢者」(高齢期old),90歳以上を「超高齢者」(超高齢期oldest-old,super-old)と区分してはどうでしょうという提案が老年のことを研究する学会から出されたりしています。

みなさんはどのように思いますか?


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