「住計画演習Ⅱ」は、自由設計課題を行う科目で、建築系科目としてはこれまで学んだ建築計画、建築人間工学、建築材料、建築法規、インテリア装備学などをすべて生かし、オリジナルの建築物を設計します。(建築設計事務所を運営されている岸先生の担当授業です)
課題は「鴨川沿いのゲストハウス」です。大学近隣に実在する土地を利用した設計の計画です。
計画条件は、京都観光を目的で短期滞在利用を目的としたもの、2家族が宿泊できる寝室を用意すること、庭が見える浴室を1か所以上設置すること、屋外テラスで食事やガーデンパーティを行えるようにすること、隣接する鴨川や植物園の景観を取り込んだ外構計画とすること などの条件です。
授業は最初に、「現地視察」を行って周囲環境を確認することから始めました。
課題では、平面図では表現しきれない要素を表現する手法として、パース図、俯瞰図、アクソメ図など立体的な表現も要求されます。
<完成した課題図面>
「RIVERSIDE HOUSE(学生Sさん)」は円形に張り出したガラスの外壁に回り階段のある吹き抜けの大空間で迫力のある作品です。「迫力ある一方でインテリア小物の細部にまでこだわった丁寧な描写もされていること、三角形の隅をテラスにするなど敷地を有効活用している」などの評価をいただきました。
「自然と調和したゲストハウス(学生Iさん)」は、大きな吹き抜け天井から角材を吊るし、森の中にいるような空間です。吹き抜け周囲をガラス張りにし階下だけでなく、鴨川の景色もインテリアの一部として取り込んだユニークな作品です。
「建物の中に様々な仕掛けがあって、テーマパークのようで楽しい空間になっている」という評価をいただきました。
他に、「アメリカンログハウス」「和モダンのゲストハウス」「出会いと憩いの場」「くつろぎのゲストハウス」「京都の自然の中にあるゲストハウス」「自然と隣り合わせのゲストハウス」「陽が射す開放的な空間」「気ままな生活が叶うゲストハウス」など、いずれも利用者の立場に立って楽しんで滞在してもらえるような工夫が満載のユニークな作品です。
岸先生から総括として、
建築は単に形をデザインするのではなく、「そこで過ごす人のことを考え、人の行為と、その行為の連鎖をしっかりイメージし、それが実現できるように空間の連続性をプランすることが大事」であること。今回の課題では全員それができていましたという感想をいただきました。また、アイデアがそれぞれ独自性があること、それをきちんと伝え、表現できる手法も身についたことを評価いただきました。
また、「空間はそこに人がいて、初めて生きた場になる」ので、これからも、「人が使う」ことを念頭においた「スケール感」を体感し身につけてほしい。という貴重な助言をいただきました。
<発表会風景>
<出会いと憩いの場 :Tさん作品>