ラボ・Letter

【京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科】

2021年4月 「生活環境学科」が始動しました
生活科学、家族、生活経営・経済、精神保健福祉の領域からQOLを追究する学科ブログです
授業の様子、研究紹介、コラムなどを手紙(Letter)のように綴ります

2018年10月の記事

美容行為と自己肯定意識との関連 (ゼミ研究) #ノートルダム#大学

2018年10月30日

京都ノートルダム女子大学 福祉生活デザイン学科

衣服学領域の、「"衣生活"研究室」のゼミ研究を紹介します。

研究タイトルは「美容行為と自己肯定意識との関連」


大学生になると、就職活動や卒業後の社会人の身だしなみのひとつとして美容行為が求められる機会も増えます。「美容」は容姿を美しくすることと定義されています。
先行研究より、美容や化粧による心理的効果には、リラックス効果や気分が高揚する、安心するなどの対自的効果の他に、自己肯定意識が向上する対人的効果もあることが明らかになっています。

本研究は、女子大生を対象に美容に関する意識と実態を明らかにし、
自己心理学の観点から美容がもたらす心理的効果について検討を行いました。

女子大生122人を対象に、質問紙調査により、①美容行為への意識 ②美容行為についての興味の度合い、認知度、経験の有無 ③美容行為のイメージ ④性格特性(自己愛的脆弱性尺度を用いて)を調査しました。

結果、
女子大学生は美容行為の効果に期待し肯定的で積極的に行っていることが明らかとなりました。また、自己愛的脆弱性と美容行為数との関係があることが示唆されました。
つまり、何か自分に不安なことや心配事、精神的に不安がある時に、身近な人に理解、助けて欲しい、頼れる相手が欲しいと感じる思いが高い人ほど、美容行為の数が多いということです。
このことから、美容行為は自己に対する不安感を和らげ自己肯定意識の向上につながっていることがわかりました。

美容イメージ

  

Posted by 京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科 │ 衣服学領域研究活動

地域協働ぷろじぇくと   #ノートルダム#大学

2018年10月26日

京都ノートルダム女子大学 福祉生活デザイン学科の

福祉領域の 「地域福祉ゼミ」では、

地域の多様な課題解決に向けて、どのようなことができるのか検討し、活動を展開しています。

そのなかで、現在取り組んでいることの1つに、
お菓子の製造販売を手掛けている障害者就労支援事業所「ワークセンター Halle!」と、オリジナル商品の開発をしています。

学生それぞれにアイディアを出し合い、それを事業所の方に形にしていただき、さらによりよいものを検討しているところです。
地域プロジェクト①

地域プロジェクト②
  

Posted by 京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科 │ 福祉学領域

食品の色のイメージと食物選択動機の関連(ゼミ研究)  #ノートルダム#大学

2018年10月23日

「"健康と食"研究室」のゼミ研究を紹介します。

タイトルは「食品の色のイメージと食物選択動機の関連」

食べ物の「おいしさ」はただ舌で感じるだけでなく、目で味わうなど五感を使って味わうもので、視覚的印象が大事であるとされています。
しかし、食べたいと思う食品の色から受けるイメージと食物選択動機との関連は明らかになっていません。

そこで、本研究は試料として着色あめとグミを用い、食べたいと思うあめやグミの色を把握し、その色から受けるイメージ及び、食物選択動機との関連を明らかにすることを目的としています。

あめとグミ

研究は、学生181人を対象に、
(1)食物選択動機(2) 物の色から受けるイメージ(3)色から連想する食物について調査を行いました。

得られた結果は、
食物を選択するとき、何を重要視するかが異なると、その食物の色によってイメージする内容が異なること。
特に「低カロリー」を重視する人たちは、どの色を選んでもおいしそうとイメージしないことが明らかとなりました。

また近年、色が鮮やかなジェル状洗剤を幼児が誤飲する事故が発生しています。赤やオレンジ、黄色は果物を連想するためこういった色は洗剤の色としては避けるべきであり、食物を連想させないような緑色や青色などの色を施す工夫へと成果を展開する必要があります。

そのため今後の課題として、小学生や中学生、あるいは幼児などに対しても同様の調査をする必要があり、人が食品に対して持つ認知的な事柄と色との関係をさらに探求することが望まれます。


  

Posted by 京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科 │ 食物学領域研究活動

「聴竹居」を見学しました    #ノートルダム#大学

2018年10月20日

京都ノートルダム女子大学 福祉生活デザイン学科の
住居学領域の、「住環境ゼミ」7人で、「聴竹居」を見学にいきました。

「聴竹居(重要文化財)」は、昭和3年に、藤井厚二が自宅として建築した住居です。

地球環境を守るために、化石燃料(エネルギー)に頼らない生産活動や日常生活を、ということが今日、世界的にも叫ばれています。

住宅においても、電気に頼る住環境のコントロール(アクティブ手法)ではなく、自然気候を活用したコントロール(パッシブ手法)が望ましいとされ、環境共生住宅が着目されています。

80年前に建てられた「聴竹居」は、環境共生住宅を実践したもので、藤井厚二の先進性が高く評価されているものです。

聴竹居入口


案内の方がとても丁寧にわかりやすく説明してくださいました。ありがとうございました。

建築の構造から細部の隅々にいたるまで一切の妥協なく、計算され、暮らしやすさが追及されていることがよくわかりました。

その一部を紹介します。
現在でいうところのクールチューブを床下に通して地下の冷気を室内にとりこみ、エアコンのなかった当時、天然の涼を得る工夫がされていること、サンルームのガラス窓は方立を無くし景観が広くよくみえるようにしていること、木枠の窓は(当時アルミサッシはなかったので)冬場、隙間風の寒さが課題になるが、藤井はガラス枠と窓枠にそれぞれ凸凹の溝を彫ることで、閉めたとき隙間なく、窓の気密性を高くしていること。

また、家具についても、(当時はまだ和装が主流であったため)和装の女性の帯が崩れないように背もたれを高めに工夫した椅子は座面が広く、椅子の上で正座もできるようになっていること。他には、欄間を幅広くとってそこに神棚を収納していることなどなど。

現在は流通している建築部材を組み合わせることが建築の主流となっていますが、必要なものを一から考え、作り、組み上げていく、正に「建築の原点」に触れることができました。

現在にも通用する最先端の工夫が随所に凝らされ、80年前に建てられたものとは思えない瑞々しさを感じました。

学生ともどもとても勉強になりました。

聴竹居お庭

建物内部の写真のアップは禁止されています。上の写真は聴竹居の庭です。背景にちらっと映っているのは建物外観(サンルームの窓)です。

詳しく知りたい方は、「聴竹居」はHPを出されていますのでそちらをご覧ください。
  

Posted by 京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科 │ 住居学領域

デンマーク海外研修報告   #ノートルダム #大学

2018年10月18日

本学では、2年ごとに、海外研修のひとつ、デンマーク研修が行われます。
今年は、本学科の酒井久美子先生の引率のもと、11名の学生が参加しました。

酒井先生による、研修レポートを以下に紹介します。

デンマーク研修
9月8日(土)~9月16日(日)の期間、海外研修(生活と社会)のデンマーク研修が実施されました。

滞在先のモテキ・ハウス(寮)にて 滞在先のモテキ・ハウス(寮)にて


台風21号の影響で、関空閉鎖のため、成田経由に変更することになりましたが、11名の学生参加のもと、充実した研修となりました。

研修では、デンマークに関する講義受講はもちろんのこと、地域包括型高齢者デイサービス、国民学校、家庭医、保育園併設の幼稚園、精神障がい者通所施設、知的障がい者通所施設(ワークショップ)、特別支援学校、社会省などを訪問しました。

福祉先進国デンマークの現状や政策について実践的に学ぶことができました。

また、日本食(カレー)をつくり、施設利用者や職員と交流したり、
保育園や施設で日本の歌を披露したりと、楽しく学ぶことができました。

作ったカレーでお・も・て・な・し  作ったカレーでお・も・て・な・し


一人ひとりを大切にし、お互いの思いを確認したうえで、一人ひとりのより良い生活のために何ができるのかを考えることの大切さを学ぶことができました。

講義風景②  講義風景

高齢者地域包括デイサービス施設  地域包括型高齢者デイサービスにて交流

知的障がい者通所施設で交流①  知的障がい者通所施設で交流

知的障がい者通所施設で日本の歌披露 知的障がい者通所施設で日本の歌披露

特別支援学校(STU)訪問  特別支援学校(STU)訪問

保育園で日本の歌披露 保育園で日本の歌披露








  

Posted by 京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科 │ 福祉学領域

公開講座「人生100年時代を生き抜くための心身の健康と食 塩原勝の料理の世界」の報告(10/13実施)  #ノートルダム

2018年10月15日

京都ノートルダム女子大学において、

公開講座「人生100年時代を生き抜くための心身の健康と食  塩原勝の料理の世界」と題し、

ホテルルビノ京都堀川の総料理長 塩原勝氏をお迎えして開催しました。

120人を超える参加者をお迎えしました。男女幅広い年代の方々にご参加いただき、食や健康に対する関心の高さがうかがえました。


塩原氏は 料理だけでなく、氷の彫刻も世界的に有名で、
会場には、塩原氏による氷の彫刻の模型を数点、展示いただきました。

氷彫刻1



第1部は 本学の加藤佐千子教授による講演の一部を紹介します。
「「人生100年時代を生き抜くための心身の健康と食」

高齢者の場合、食が細くなると、フレイルティ(低栄養、サルコペジア、ロコモティブシンドローム)や要介護など危険な状態になりやすい、負のスパイラルに陥るため、高齢者の痩せは注意を要するということ。
適切な対応(食べること)で健常化できることや、「指わっか試験」による痩せすぎチェックの仕方を教えていただきました。

また、最近の研究では心の病気は脳の栄養不足から起こるということから、脳にはブドウ糖だけでなくタンパク質や無機質、ビタミンの摂取も大切であること。

高齢者の方への具体的な食生活として、欠食しないこと、バランスよく食べること(主食、主菜、副菜の揃った献立の実行)、1日3食のタンパク質摂取量のバランスを均等にすること、また心理的によいことから嗜好品の継続摂取などがよいということなど、
最新の研究動向も含め盛りだくさんの内容をお話しいただきました。
最後に、若い女性に向けて、
痩せすぎない、ダイエットしない、中身を磨いて自信をつける、自尊感情を高く保つ、適正体重を知る、マスコミ情報に振り回されない、などの助言を送られました。


第2部は、塩原勝氏による講演です。
「塩原勝の料理の世界」

まず、普段よく目にするシェフの衣装の意味についてご説明をいただきました。
その後、世界で受賞された氷の彫刻のスライド写真を見せていただきながら、アイスカービングの制作の苦労や裏話など、またこどもの身長くらいある長いカービング道具の実物もみせていただきました。

氷彫刻の面白さは、この氷をどうしようかという発想力にあるということでした。

料理については、
フランス料理とイタリア料理の違いや、フランス料理のポワレ、グリエなど調理法の違い、
コース料理はデザートを食べ終えたときに美味しいと思われるように、ブッフェ料理は、最初の一口でおいしいと思われるようにつくる、など。

料理の世界は例えば液体窒素を使ったものなど、日々進化しているとのことで、塩原氏自身も進化したものに挑戦し続けたいという意欲をお話しされました。

講演風景

いずれも大変興味深い内容で、とてもフランクにわかりやすくお話いただきました。

講師の先生方、どうもありがとうございました。

尚、塩原氏のご厚意で、展示された氷の彫刻模型は希望者にお譲りするとのことで、小ぶりの2点は参加者がお持ち帰りになられました。

  

Posted by 京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科 │ 公開講座

10/13(土)公開講座「人生100年時代を生き抜くための心身の健康と食」の開催

2018年10月12日

あす、10/13(土)公開講座「人生100年時代を生き抜くための心身の健康と食」を開催します。

公開講座20181013


本学にて、13:30開場、14:00~15:30です。場所はユージニア館3階 NDホールです。

予約不要、入場無料です。是非お運びください。

ホテルルビノ京都堀川の「総料理長、塩原勝氏」 をお迎えして行います。

公開講座の前半部は

老年学の視点から超高齢時代において、元気高齢者と若者たちを支援するための食と健康との関連について
本学教授、加藤佐千子氏が講演します。

後半部は
ホテルルビノ京都堀川の総料理長 塩原勝氏と、加藤氏の対談で、

「プロの料理人塩原氏の提供する料理」について対談します。

イタリアン、フレンチ、日本料理を作る上で、常に「安心」「安全」を基本とし、味の探求を重ね、食べる側に「美味しい」と唸らせる料理を限界まで追求する、塩原氏の創作活動の実際と裏側に迫ります。

すでに京都市営地下鉄の扉横にポスターが掲載されていましたので、ご存知の方も多いかと思います。
お待ちしています。

  

Posted by 京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科 │ 公開講座

修徳ふれあい食堂   #ノートルダム#大学

2018年10月06日

京都ノートルダム女子大学 福祉生活デザイン学科の福祉領域の 三好良夫先生が関わってられる活動を紹介します。

地域での孤立、孤独を防ぐ「修徳ふれあい食堂」が2016年10月からスタートしました。

地下鉄五条駅近隣の特別養護老人ホーム&児童館で、地域のこどもたちの居場所づくりとして夕食の提供が始まりました。

実際には地域には夕食づくりで困っている人たちがたくさんいることがわかり、

当初の「こども食堂」から、「ふれあい食堂」に変更となりました。

全体の様子(修徳ふれあい食堂)


子どもたちばかりでなく、地域の一人暮らし高齢者や乳幼児を抱える若いお母さんなども夕食に来られるからです。

年齢差もありますが、夕食に参加した皆さんは地域のボランティアや学生ボランティアと
食後の会話も楽しみ、笑顔になって帰られています。

作業風景

学生たちは、赤いバンダナを頭に巻いて、ハンドマッサージ、乳幼児のお世話、小学生の宿題の支援、高齢者の方々との会話、食事の配膳手伝いなど、自分たちが得意なことをできる範囲で行っており、

学生自身も楽しみながら地域での「共生」の必要を実体験してくれています。

学生ボランティア


「参加の皆さんと一緒に食べるカレーの味は最高だ」と言ってくれています。

カレー

「ふれあい食堂」は原則、第三金曜日18時からのスタートです。

学生ボランティア募集中です。  

Posted by 京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科 │ 福祉学領域産官学連携活動