公開講座「人生100年時代を生き抜くための心身の健康と食 塩原勝の料理の世界」と題し、
ホテルルビノ京都堀川の総料理長 塩原勝氏をお迎えして開催しました。
120人を超える参加者をお迎えしました。男女幅広い年代の方々にご参加いただき、食や健康に対する関心の高さがうかがえました。
塩原氏は 料理だけでなく、氷の彫刻も世界的に有名で、
会場には、塩原氏による氷の彫刻の模型を数点、展示いただきました。
第1部は 本学の加藤佐千子教授による講演の一部を紹介します。
「「人生100年時代を生き抜くための心身の健康と食」
高齢者の場合、食が細くなると、フレイルティ(低栄養、サルコペジア、ロコモティブシンドローム)や要介護など危険な状態になりやすい、負のスパイラルに陥るため、高齢者の痩せは注意を要するということ。
適切な対応(食べること)で健常化できることや、「指わっか試験」による痩せすぎチェックの仕方を教えていただきました。
また、最近の研究では心の病気は脳の栄養不足から起こるということから、脳にはブドウ糖だけでなくタンパク質や無機質、ビタミンの摂取も大切であること。
高齢者の方への具体的な食生活として、欠食しないこと、バランスよく食べること(主食、主菜、副菜の揃った献立の実行)、1日3食のタンパク質摂取量のバランスを均等にすること、また心理的によいことから嗜好品の継続摂取などがよいということなど、
最新の研究動向も含め盛りだくさんの内容をお話しいただきました。
最後に、若い女性に向けて、
痩せすぎない、ダイエットしない、中身を磨いて自信をつける、自尊感情を高く保つ、適正体重を知る、マスコミ情報に振り回されない、などの助言を送られました。
第2部は、塩原勝氏による講演です。
「塩原勝の料理の世界」
まず、普段よく目にするシェフの衣装の意味についてご説明をいただきました。
その後、世界で受賞された氷の彫刻のスライド写真を見せていただきながら、アイスカービングの制作の苦労や裏話など、またこどもの身長くらいある長いカービング道具の実物もみせていただきました。
氷彫刻の面白さは、この氷をどうしようかという発想力にあるということでした。
料理については、
フランス料理とイタリア料理の違いや、フランス料理のポワレ、グリエなど調理法の違い、
コース料理はデザートを食べ終えたときに美味しいと思われるように、ブッフェ料理は、最初の一口でおいしいと思われるようにつくる、など。
料理の世界は例えば液体窒素を使ったものなど、日々進化しているとのことで、塩原氏自身も進化したものに挑戦し続けたいという意欲をお話しされました。
いずれも大変興味深い内容で、とてもフランクにわかりやすくお話いただきました。
講師の先生方、どうもありがとうございました。
尚、塩原氏のご厚意で、展示された氷の彫刻模型は希望者にお譲りするとのことで、小ぶりの2点は参加者がお持ち帰りになられました。