11月16日(土)に公開講座「京都でつなぐ多様な家族と社会」を開催しました。
まずは、本学科の青木講師(家族領域)が、社会の変化と家族を取り巻く現状について、日本社会とデンマーク社会を比較しながら講義をされました。
続いて、特定非営利活動法人 京都いえのこと勉強会理事長で、ひとり親世帯の父親として3人の息子を育てた木本努氏による講演がありました。
奥さまを突然亡くされたあと、仕事一筋だった木本氏は当時3歳、6歳、11歳だった子どもたちを育てるために、仕事と家事・育児を一人でこなさなければならなくなりました。料理の仕方も洗濯機の動かし方もわからず、毎日がいっぱいいっぱいの状態でしたが、ある時、ママ友の「おせっかいだけど…」という一言からサポートの輪が広がっていきます。
その後、ブログで情報を発信したりNPOを立ち上げたりするうちに、今度は木本氏自身が同じような立場の人に手を差し伸べる「きっかけづくり」を始めます。現在では、NPOの活動や講演活動のかたわら、女性の就労支援活動にも携わっておられます。
長らく日本社会には、「よその家族には干渉しない」風潮が浸透し、都心部では隣人の顔すら知らないことが珍しくありません。そんな社会だからこそ、ちょっとした声掛けやつながりが、社会で孤立していた誰か(あるいは、どこかの家族)を救うのだということを感じられる講座でした。
(木本氏と青木講師)