工場(こうば)見学のあと、Ohanaこども園を訪問しました。
こちらの園には、0~3歳までの子どもたち約20名が在籍しています。企業内託児所という位置づけのため、株式会社Tn(以下、「Tn」)が展開する企業で働く女性のお子さんが中心ですが、地域貢献もしたいという企業の強い希望から、Tnとは直接関係のない近所の子どもたちも受け入れています。

私たちが訪問したとき、子どもたちはちょうどお昼寝から起きておやつの時間でした。お姉さんたちの登場に、子どもたちのおやつを食べる手が止まってしまいました。
石井社長曰く、「Ohanaは、母親たちのニーズを徹底的に詰め込んだ園」になっているそうです。たとえば、保育時間は21時までです。この間、もちろん子どもたちに夕食を食べさせてくれます。
園で過ごしているときに子どもが発熱したら、その日に限っては、看護師の付き添いのもと、園内の個室「あんせいしつ」で子どもを預かります。通常、子どもが発熱すると、職場に電話がかかってきて、親(たいてい母親です)は仕事が途中であっても子どものお迎えに行かなければなりません。それでは女性たちは仕事に集中することができませんよね。

さらに送迎バスで子どもたちを自宅まで送り届けてくれます。終業後の母親たちは、夕食の買い出しや食事の準備などで多忙です。そのような事情を鑑み、園が子どもたちを送迎することで、母親たちのお迎え時間を省略し、家事に専念してもらおうというのです。
今挙げたすべての内容は、子育て中の母親たちの声を反映させて実現されたものです。
企業としては、これらすべての内容を実現していくには、人材確保や経費の問題など「かなり大変です」(石井社長)とおっしゃいます。しかしながらニーズは多く、現在では園の拡充を進めているそうです。
ニーズがあるということはどのようなことでしょうか。
それは、これらのサービスが無ければ、就業する母親たちに負担としてのしかかってくるということです。今の日本社会で、子育て中の女性の就労が難しいと言われる背景が、母親たちのニーズという点からも確認することができますね。

お忙しいなか、私たちの訪問のためにお時間を作ってくださった社長の石井さん、副社長の高田さん、そして本学の授業でお世話になっている取締役の木本さん、本当にありがとうございました。