ラボ・Letter

【京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科】

2021年4月 「生活環境学科」が始動しました
生活科学、家族、生活経営・経済、精神保健福祉の領域からQOLを追究する学科ブログです
授業の様子、研究紹介、コラムなどを手紙(Letter)のように綴ります

住居学領域の記事

屋外環境と快適性に関する実験研究(ゼミ研究)  #ノートルダム#大学

2018年11月14日

京都ノートルダム女子大学 福祉生活デザイン学科の住居系ゼミ

「"住環境"研究室」のゼミ研究を紹介します。

研究タイトルは「屋外環境と快適性に関する実験研究」


都心において建築物の密集の回避を目的に、公共空間を増やすためのオープンスペースの確保が促進されています。オープンスペースは単なる場の提供だけではなく、そこで人の交流が活発に行われることで街が活気づくことが期待されています。そのためには場が質的に良い環境であることが必要です。

本研究は大学キャンパスの屋外休憩場所(芝生中庭、茶室庭園、ユニソン会館北側)を取り上げ、
自然気候に曝露された屋外で被験者評価実験を行いました。
そして、環境要素と人の感覚との関連を把握し、快適な屋外環境のありかたを検討しました。
またVR実験を行って、緑樹の視覚情報が温冷感に影響を与えるかどうかについて検討を行いました。

研究方法は、
1)大学のキャンパスの植栽状況など環境の異なる3地点
2)気温・湿度・気流・照度・日射量・騒音レベルを機器を用いて実測。また被験者に感覚・心理評価は温熱感、湿気感、風量感、明るさ感、騒静感を5段階、場の快適感、場の印象、総合評価として[小休憩に適している]を4段階で評価させた。実験期間は5月から10で毎月実施しました。被験者は学生のべ19名である。
3)VR実験は、屋外環境調査実験の地点を360°カメラにて撮影した対象画像を、VRゴーグルを装着した被験者に、温熱環境を25°湿度40%に調節した実験室で評価させました。

結果、

それぞれの地点の現状を把握し、環境に手を加えることでより快適性を向上するための工夫として、
芝生中庭は気温や日射量が多いことから、暑さや眩しさを感じる頭上や周囲に日射を遮る樹木を増やす、
茶室庭園は、暗く湿度が高いことから、緑量を減らす、あるいは休憩地点と植栽に距離をとるなどして通風の改善をする、
ユニソン会館北側は、コンクリートに囲われて植栽がないことが総合評価を低くしていることから、例えばプランターを設置するなど植栽を増やす工夫をする。
などの提案を導き出しました。

またVR実験より、視覚情報だけでは温冷感は変わらないことが明らかとなりました。屋外実験① 屋外実験風景

VR実験風景  VR実験風景
  

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「聴竹居」を見学しました    #ノートルダム#大学

2018年10月20日

京都ノートルダム女子大学 福祉生活デザイン学科の
住居学領域の、「住環境ゼミ」7人で、「聴竹居」を見学にいきました。

「聴竹居(重要文化財)」は、昭和3年に、藤井厚二が自宅として建築した住居です。

地球環境を守るために、化石燃料(エネルギー)に頼らない生産活動や日常生活を、ということが今日、世界的にも叫ばれています。

住宅においても、電気に頼る住環境のコントロール(アクティブ手法)ではなく、自然気候を活用したコントロール(パッシブ手法)が望ましいとされ、環境共生住宅が着目されています。

80年前に建てられた「聴竹居」は、環境共生住宅を実践したもので、藤井厚二の先進性が高く評価されているものです。

聴竹居入口


案内の方がとても丁寧にわかりやすく説明してくださいました。ありがとうございました。

建築の構造から細部の隅々にいたるまで一切の妥協なく、計算され、暮らしやすさが追及されていることがよくわかりました。

その一部を紹介します。
現在でいうところのクールチューブを床下に通して地下の冷気を室内にとりこみ、エアコンのなかった当時、天然の涼を得る工夫がされていること、サンルームのガラス窓は方立を無くし景観が広くよくみえるようにしていること、木枠の窓は(当時アルミサッシはなかったので)冬場、隙間風の寒さが課題になるが、藤井はガラス枠と窓枠にそれぞれ凸凹の溝を彫ることで、閉めたとき隙間なく、窓の気密性を高くしていること。

また、家具についても、(当時はまだ和装が主流であったため)和装の女性の帯が崩れないように背もたれを高めに工夫した椅子は座面が広く、椅子の上で正座もできるようになっていること。他には、欄間を幅広くとってそこに神棚を収納していることなどなど。

現在は流通している建築部材を組み合わせることが建築の主流となっていますが、必要なものを一から考え、作り、組み上げていく、正に「建築の原点」に触れることができました。

現在にも通用する最先端の工夫が随所に凝らされ、80年前に建てられたものとは思えない瑞々しさを感じました。

学生ともどもとても勉強になりました。

聴竹居お庭

建物内部の写真のアップは禁止されています。上の写真は聴竹居の庭です。背景にちらっと映っているのは建物外観(サンルームの窓)です。

詳しく知りたい方は、「聴竹居」はHPを出されていますのでそちらをご覧ください。
  

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住居製図Ⅰ(住宅模型の制作)  #ノートルダム #大学

2018年09月28日

住居製図Ⅰの授業を紹介します

ひとつの木造住宅を取り上げ、その住宅の平面図、立面図、断面図の手描きトレースをします。

そして、授業終盤に住宅の「立体模型」を作成することで、空間認知力を養います。

図面を描いているときとは違い、3mmや5mm厚のスチレンボードを、ステンレス定規をあてカッターナイフで、パーツを切り抜いていくという作業です。

模型組み立て風景


住宅模型は 施主さんに立体の形で完成予想建築物を提示する、重要なプレゼンテーションの道具です。
図面同様、いかに美しく、精度高く仕上げるかが大切です。
外壁の小口をみせないような工夫も必要です。

完成した模型はスマホを通しのぞき込むと、まるで模型に入り込んだかのように、リアルなサイズ感で認識できます。
 
完成した模型をスマホでのぞき込む瞬間が、模型製作の醍醐味です。


写真は、製作途中の様子です。

完成まじか

完成模型群


  

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NHK朝ドラ「半分、青い」のインテリアについて(その2) #ノートルダム#大学

2018年07月05日

秋風羽織氏のオフィス ティンカーベルの、プライベートルームにみられる照明器具、「タリアセン TALIASEN」について紹介します。

アメリカの世界的な建築家、フランク・ロイド・ライトが設計した照明器具です。

しかも、このプライベートルームにはそれが2台もあります。

部屋の隅に床置き「タリアセン2」、卓上に「タリアセン3」が設えられています。

葉(電球)をたくさんつけた木のようなデザインで、電球を覆うブロックの上下の遮光板はばらばらに取り外すことができ、好きな向きに自由に取付けることができます。遮光板から漏れる間接光はブロックや遮光板の木色も加わって、とてもやさしい柔らかい光です。

写真は、本学のインテリアデザインラボにある、卓上ライト「タリアセン3」です。

タリアセン


秋の夕暮れ、このライトを傍らに静かに読書したり、物思いにふける、というシチュエーショが私のお勧めです。
  

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モデルルームのインテリア飾り付けプロジェクト

2018年06月21日

民間企業とコラボ

「インテリア装備学」の授業課題として、共立メンテナンス(株)とコラボし、学生向けマンションのモデルルームを飾り付けるプロジェクトを実施しました。(H30年1月~2月)

4月から大学生として京都で暮らしを始める女子高校生に向け、大学生活がイメージできるような、「女子力の高い」プランを練りました。

インテリアのテーマは「春、うきうき、楽しい」とし、元気がでる黄色のビタミンカラーを軸に、春らしい花柄や花をモチーフにしたインテリア用品を多く使うように計画しました。

賃貸マンションなので 飾り付けができる範囲は限られていましたが、大学生らしい生活感がでるようにしました。

飾りに使うインテリア用品は、おしゃれなインテリアショップ、イノブン、フランフラン、ローラアシュレイで買い付けました。(このプロジェクトは2月と真冬の時期だったので、春らしい物品を探すのに苦労しました)

現場での飾り付けは6人がかりで3時間要しました。

写真は360°カメラで撮影したものです。(ベッドルームのみ)

モデルルーム全体


ベッドカバーは白に花の刺繍があしらわれたもの、その上にレースの刺繍カバーのクッションを並べ、ベッドのヘッドトップには、黄色い鳥のオーナメントを置きました。ベッド横の壁面は黄色い花の額を取り付け、それに黄色い花のラインオーナメントを沿わせました。
床は芝生をイメージしたグリーンの円形ラグマットを置きました。デスク前はコルクボードを掛け、それにカレンダー、アクセサリー、デザイン性の高いポストカードを貼り付けました。書棚は文具の他に、うさぎのオーナメント、ミニ観葉植物を飾り付けました。写真には写っていませんが、玄関、トイレ、バスルーム、ミニキッチンも飾り付けました。

飾り付け中

コルクボード


計画から、物品購入、飾り付けという一連の作業をすることができ、とても貴重な学びとなりました。

共立メンテナンス様、機会をいただきありがとうございました。
  

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NHK朝ドラ「半分、青い」のインテリアについて (その1)  #ノートルダム#大学

2018年06月21日

NHKの朝ドラ 「半分青い」をご覧になってられますでしょうか。

これに登場する、少女漫画家 秋風羽織氏のオフィスのインテリアを、(ストーリー以上に)とても興味深く楽しみに視聴しています。

このインテリアをチェックしていきたいと思います。

このオフィス「ティンカーベル」には、名作チェア、名作照明器具が何点かみられます。

名作といわれる椅子は、名前があり、誰がデザインしたかということが、インテリアの基礎知識として必要です。

今回「エッグチェア」を見ていきたいと思います。

リラクゼーションルームに登場するので見つけてください。(NKHのHPに写真があります)


エッグチェアは1958年、アルネ・ヤコブセン(デンマーク)がSASロイヤルホテルのロビーとレセプションエリアのためにデザインしたものです。その名の通り卵をイメージした継ぎ目のないシェルで形作られています。張地は革、布、カラーは張地によって黒、茶、赤、青、紫、、、などいろいろあります。

テレビドラマや宣伝でも結構よく登場します。(かつて、俳優の福山雅治さんがビールのCMで紫のエッグチェアに座っていたことがあります。)

椅子の歴史は材料の進歩と深く関連しています。エッグチェアは硬質発砲ウレタンを初めて採用した椅子としても有名です。

本学科の「インテリアデザインラボ」にもエッグチェアがあります。




ラボには椅子が数種ありますがこれは、学生の一番人気です。
通称、「座るとひとり(孤独)になれる」椅子です。卵の殻状にサイドが覆われているため、周囲が気になりにくく、安らぐとのこと。

ヤコブセンはエッグチェアの他に、スワンチェア(名の通り白鳥が羽を広げた形状の椅子)も有名です。 
                                         by住環境研究室 竹原 (つづく)

  

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積水ハウス(株)住宅総合研究所 「納得工房」に行ってきました

2018年06月12日

「建築材料学の」授業で、積水ハウス「納得工房」へ見学に行きました。

納得工房2

環境性能コーナーで、ガラスの種類による遮熱、断熱性能の差を体験しました。

生涯住宅コーナーで、補助具を装着し段差の上り下りをする疑似高齢者体験をし、ユニバーサルデザインの必要性を認識しました。

収納コーナーでは、「使っている場所と、しまう場所を同じにすること」で散らかりにくい、楽に片づけできる住まいになることに気づきました。

最後に、茶の間キッチン、 キッチンレスキッチン、ナチュラルキッチンといった異なるコンセプトの3つのキッチンを比べて、ライフスタイルと住宅設計の関連を学びました。 またナチュラルキッチンは、床材に成長の早い竹を、壁は珪藻土を塗り、テーブルはウィスキー樽の再利用など、徹底した自然志向のこだわりを学びました。


研究所のため内部の撮影は許可されていませんので、http://www.sekisuihouse.com/nattoku/koubou/ 掲載の写真を引用します。
積水引用写真



  

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住居製図Ⅰ 授業風景

2018年06月03日

住居製図Ⅰの授業風景です。

2年次対象で、建築やインテリアを学ぶ人の 「初めて」の製図の実習です。

製図室、インテリアデザインラボ でお気に入りの場所で製図をします。

平面図中

「平面図」の課題に取り組んでいます。建築物の床上から1.2メートルのところを水平線で切ったところに現れる線を描きます。

このような、チラシなどでよく見かける図が平面図です。他に、断面図、立面図、矩計図(かなばかりず)など図面の種類はたくさんあります。

平面図とは

これをこの授業では、「手書き」で描き、製図器の使い方や製図記号を学びます。






  

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