ラボ・Letter

【京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科】

2021年4月 「生活環境学科」が始動しました
生活科学、家族、生活経営・経済、精神保健福祉の領域からQOLを追究する学科ブログです
授業の様子、研究紹介、コラムなどを手紙(Letter)のように綴ります

住居学領域の記事

建築学部とは違う、生活環境学科での住居・建築系の学び紹介(その2)

2021年02月15日

福祉生活デザイン学科(2021年4月より 生活環境学科に名称変更)の
建築・住居系科目の紹介のつづきです。

2.インテリア装備学(インテリアコーディネート演習)
 インテリア要素に関する知識を深め、インテリアコーディネートを実践する授業です。
 授業の前半は色彩計画、照明計画、家具計画などの理論を学びます。後半は実践的にコンピュータの3DCGソフトを用いてインテリアコーディネートを作り上げます。
 今回の課題は、「依頼主は50代後半の夫婦で、子どもが独立して家を出たのを機にリフォームを計画している。妻の趣味「お菓子作り」をテーマに5人程度の仲間の集いを開くのにふさわしいインテリアの提案をする」でした。
 完成した作品は、「お菓子パーティを楽しめるエレガントな空間」、「ナチュラルテイストの暖かい家」、「おうち時間が楽しくなる家」などのタイトルのユニークな提案がみられました。
 受講した学生からは、「同じテーマでもひとりひとり違うプランができることの面白さを感じた」や、「空間のデザイン性や見た目だけを考えるのではなく、そこに住む人はどう使うのか、どう思うのかなど多面的に考えてコーディネートしなければならないことに気づいた」など、授業に対する感想がきかれました。


<Labにて名作家具&照明器具の実物に触れ、作品名と作者など基礎知識を学びます>
ラボと桜

<インテリア装備学:3DCGでインテリアプランを作成>
インテリア装備学1

<インテリア装備学:作品をスクリーン画面に投影して発表>
インテリア装備学2


3.住計画演習Ⅱ(住宅設計演習)
 自由設計課題に取り組む授業です。今回は鴨川沿いの現実の土地を課題の対象に設定した、ゲストハウスの設計です。広い敷地をどう活用するか頭を悩ませたようですが、その分、それぞれに様々な思いを盛り込んだ作品が完成しました。
 展望テラスを通じて2つの家族が行き来できる「繋がるゲストハウス」は、建物の中に京町家を思わせるプランです。また道路からの視線を配慮しつつ、ピクチャーウィンドゥを効果的に配置し、外の景色を室内で観照できる「四季を彩る家」は吹抜けを使って上下階のつながりを持たせたプランです。ひとりひとりユニークな作品ができました。
 学生からは、「一つの建物の中で 2家族が独立しプライバシーを保持しつつ、交流を持つこともできるという相反する条件を満たすことの難しかった」、「試行錯誤しながらもプランを図面という形に作り上げていく面白さを体験することができてよかった」という感想がえられました。

<住計画演習Ⅱ: 電子黒板を使って作品をプレゼンテーション>
住計画演習Ⅱー1

<住計画演習Ⅱ: 今回の学生の課題作品一覧>
住計画演習Ⅱー2


最後に、
建築学部でも住居学科でもない、生活環境学科での建築・住居の学びの特徴は、
衣食住、家族、生活経営・経済、生活福祉の領域を幅広く学ぶ、複合学科ならではのものです。 
生活すべてを理解した、ユニークな視点がもてる 生活者に寄り添うことのできる建築のプロを目指して一緒に学びましょう。  

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建築学部とは違う、生活環境学科での住居・建築系の学び紹介(その1)

2021年02月10日

福祉生活デザイン学科(2021年4月より 生活環境学科に名称変更)は、二級建築士の受験資格を得ることができます。

他大学の建築学部や建築学科、住居学科との大きな違いは、
衣食住、家族、家庭経営、福祉領域など生活に関連する幅広い領域をもつ学科にあることです。
こういう学びができる大学は他になく、日本で唯一です。

建築系学問を学び資格を目指しながら、自由に他の領域、例えば 食領域の学び(例えば栄養学や調理実習など)や衣領域の学び(アパレルデザインや繊維加工実験など)、福祉領域の学び(高齢者福祉や障害者福祉)、家族関係や家庭経済などの領域の学びも選択して学べるということです。

建築以外の他の領域も一緒に学ぶことには、大きなメリットがあります。
それは、生活や人の暮らしを理解できる視点をもった建築のプロになれることです。家族のコミュニケーションを大切にした住宅の提案や、高齢者が長く住み続けられる住宅の提案など、生活者を理解し、生活者に寄り添った提案ができる力が自然と養われます。


住居・建築系の、代表的な演習科目を3つ、紹介します。(住居製図、インテリア装備学、住計画演習)

1.住居製図

  前期の「住居製図Ⅰ」は、平行定規、三角スケール、円定規などを使用して図面を手描きする授業です。後期の「住居製図Ⅱ」はコンピューターCADを操作して建築図面を制作する授業です。手描き、CAD操作を知り、製図作業の熟練を目指しつつ、建築製図の意味、建物の構造を理解する授業です。手描き製図は、均質な線を引くのが意外に難しい作業ですが、図面を2枚描き上げる頃にはきれいな線で描くことができるようになりました。またCAD操作は一見、コンピュータで図形を描くだけにみえますが操作方法が独特です。授業の終盤には操作も習熟し、自在に操れるようになりました。授業ではCAD検定2級の課題に取り組みました。授業を終えた学生にはCAD検定へのチャレンジも薦めています。

<住居製図Ⅰ:手描きの製図>
住居製図Ⅰ

<住居製図Ⅱ:CAD コンピューターを操作して製図>
住居製図Ⅱー2

<住居製図Ⅱ:CAD 授業風景>
住居製図Ⅱー1


※次のブログへ インテリア装備学、住計画演習Ⅱの紹介、つづきます  

Posted by 京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科 │ 住居学領域

和紙でランプシェードを手作り

2020年08月03日

住環境学ゼミは、ランプシェードを和紙で製作しました。

点灯完成シェード


まず、和紙は京都文化博物館にある、京都楽紙館 で選ぶところから始めました。

またゼミでは事前に、「京都文化博物館」は 日本を代表する明治の建築家、辰野金吾の設計であることや彼の代表作、同時代の建築家やその作品について学び、訪れました。

(楽紙館前にて)
楽紙館前

シェード造りは、膨らませた風船に和紙やタコ糸を重ねながらデザインを施します。
(作業風景)
作業中1

完成したシェードです。まだ濡れた状態です。これを一週間かけて自然乾燥させます。
濡れたシェード(未完成)


乾燥後、中の風船を取り出して仕上げを施します。
光を灯して、初めて自分のつくったシェードがどう完成したかがわかる、わくわくする楽しい瞬間です。
ランプの種類を変えるなどし、光色を違ったものにすることで、シェードの色合いも変化します。
とても素敵なものができました。

(完成)

  

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京都文化博物館の祇園祭(特別企画展)に行ってきました#祇園祭

2020年07月09日

京都ノートルダム女子大学は、6月中旬より一部の限られた科目のみ、対面授業を実施していましたが、
さらに、7月8日より多くの科目が対面授業を実施することとなりました。

住環境ゼミは、京都文化博物館の特別企画展「祇園祭」にいってきました。

祇園祭(京都文化博物館)


「動く美術館」といわれる山鉾です。

山鉾を飾る前懸や胴懸、その下図となった屏風絵、装金具、山鉾のご神体など 
実際の祇園祭ではなかなか見ることができない貴重な装飾品を、わかりやすい解説文とともに、まじかに鑑賞することができました。
たくさんの装飾品をまとった月鉾は重量が10トンもあるそうです。
また、これらの装飾品は古いものがそのまま継承されているというわけではなく、時代時代に新しいものが付け加えられ、今日に至ることも知りました。

館内のプロジェクター映像資料では、

山鉾を組み立てる際は、釘を使わずに縄だけで部材を固定し骨組みを組み上げていくことや、月鉾の高さ25メートルの鉾が、道路に横たわった状態から掛け声とともに大人数で鉾の中央に建てる「鉾建て」の様子を視聴することができました。

多くの観光客を集める豪華絢爛な日本三大祭りのひとつ、祇園祭は、疫病退散を願っての祇園御霊会として行われる八坂神社のお祭りであること、それぞれの山鉾にご神体があること、山は担ぐもので、鉾は曳くものなど知ることができました。
また、山鉾の組み立て、解体、神事の執り行いなど、観光ではあまり目にすることがない本来の祇園祭についても深く学ぶことができました。


学生らも、祇園祭についてはなんとなく知っているつもりだったけれど、それはほんの表面的なことだけだったようで、大変勉強になったようです。

今年の祇園祭は中止のためかないませんが、
この展示で学んだことを、是非来年の祇園祭で確認したいね、と話し合いました。

係りの方によると、今回のような祇園祭の展示は今年初めてとのことです。
祇園祭が中止になったので、その代わりにという展示なのでしょうか。

久しぶりのゼミはとても有意義な学びができました。
  

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ZOOMを使って、建築構造力学の実験の授業紹介

2020年05月01日

京都ノートルダム女子大学は、4月16日から授業を開始しています。

今日まで約2週間たちました。
本学は以前から、オンライン学習システムが充実していたことも幸いし、
オンラインコンテンツによる授業やZOOMによる生中継の授業など、さまざまな方法で授業が(にぎやかに?)実施されています。

当初、心配していた新入生についても、大学の手厚いサポートのおかげで、皆 順調に授業をこなし、レポート課題の提出も活発にやりとりができています。新入生はまだ教員とも同級生とも直接会っていませんが、クラス単位で、オンラインレポートを活用し自己紹介をするなどして、互いに知り合ったような感覚です。

担任は、ひとりひとりの学生の学習や生活で不便や不安がないかなど、常に気を配りながら、学生のサポートをしています。

このように、対面授業ができない事態になっても、ほぼ通常通りの授業体制を崩さず、学生のケアをしながら授業ができていることは、
少人数制の教育の良さが発揮された賜物と考えています。


写真は、建築構造力学の授業風景です。
ZOOMを使っての授業です。

「同じ重さのコーヒーカップを持っているのに、持つ角度によって力の感じ方が異なる」を確認してもらい、それはなぜか、を考える授業です。
学生には事前にコーヒーカップと紐を用意してもらい、実験してもらいました。

お互いの様子がよくわかります。

構造力学の授業風景2020
(ZOOMで力学の実験)  

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基礎演習Ⅱ「住まう」 光について学ぶ

2020年03月25日

基礎演習Ⅱ(1年次 必須科目)

 「基礎演習Ⅱ」という科目は、 
 衣、食、住、家族、福祉をテーマに体験学習を通して、幅広い学問領域にふれることが目的です。

 今回は、住居学分野 「住まう」を紹介します。テーマは "光について学ぶ" です。 
シェード3つ

 科目の目標は、
   ①光の量(明るさ)の測定方法を学び、適切な明るさを知る
   ②光源(光の質)について理解を深める
   ③雰囲気演出のための”ランプシェード”を作成、光と素材の関係を体験する
 
 ①光の量の測定:  照度計を用いて 教室の各所の照度を測定します。
   照度の値(ルクス)を用いることで、明るさの程度を客観的に数値で示すことができます。
照度計 (照度計)


 ②光源の質:  電球の種類によって 発光の原理が違うこと、光色(色温度)によって照らされたものの見え方が変わることを、実験模型をつかって体験します。
光模型実験(光源比較実験)


 ③シェードの制作:  ペットボトルに和紙を巻き付けるランタンをつくって光の透過性、色の見え方を確認します。
  光を通せば、古紙のくしゃくしゃも 趣のある陰影へと素敵に変身、光のマジックを体験します。
  皆、それぞれ好きな型紙をつかってつくりました。
学生とランタン
(作ったシェードに光を透します)

 身近なところにある光ですが、光の特性を知り、うまく活用することで、省エネに貢献したり、へやの雰囲気をアップすることができることに気づいたようです。実生活で是非、役立ててほしいですね。







  

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おふろ部(神戸べっぴんおふろ学校) #連携活動

2020年02月19日

京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 福祉生活デザイン学科は衣・食・住・福祉を幅広く学ぶことができます。
産官学連携活動も活発に展開しています。

おふろ部は、(株)ノーリツ、(株)電通、自治体水道局と大学が、日本のおふろ文化を大切にし、おふろ好きを増やすための連携活動を行っています。本学も参加しています。

2019年12月に神戸でおふろ部の ワークショップ活動 「神戸べっぴんおふろ学校」 が開催されました。その様子を報告します。

 5大学4自治体70人ほどが参加しました。
  2つの講義 「浴室環境とライフスタイル」、「入浴の効力・魅力について」ののち、ワークショップを行いました。
 ワークショップは、
 「一人で書く」から「みんなで書く」、みんなでしかつくれない記事がある、「チームライティングにチャレンジ!」と題したものです。
 8つのチームに分かれての共同作業です。作業はまず個々でアイデアを考える→自己紹介→チームでアイデア出し→チーム案の発表、の順に進行しました。

 学生にとって、他大学の多くの学生と交流をもつことができたこと、その中で自分の意見を述べたり、ディスカッションをしたりなどの経験ができたことは、とても新鮮でよい刺激を受けたようです。
 これから、どんなチームライティングが完成するか、楽しみです。

ワークショップ風景
(ワークショップの様子)

ワークショップで集合写真
(参加者で集合写真)

  

Posted by 京都ノートルダム女子大学 現代人間学部 生活環境学科 │ 住居学領域産官学連携活動

今年も 聴竹居 見学しました。   #京都  #重要文化財 #環境工学

2019年10月24日

京都ノートルダム女子大学 福祉生活デザイン学科には、住居学分野があります。

住環境ゼミは「聴竹居」へ、今年も見学に行きました。

藤井厚二によって昭和3年に建てられた実験住宅で、重要文化財です。

聴竹居3

聴竹居倶楽部の事務局長、田邊さまに説明していただきました。

電気やガスなどの熱源があまり普及していなかった当時、環境工学に基づき自然の力を利用した換気、通風は究極のエコシステムであること。
間取りは接客重視の中廊下型スタイルが主流の当時としては、画期的な居間中心(家族重視)の間取りスタイルであること。

素晴らしい景観を望むために計算された縁側の額縁のような窓枠と庇の出。

置き家具は少なくし、その代わり各所に設けられた造作収納は、耐震補強も兼ねていること。

C.R.マッキントッシュからインスピレーションを受けた線を強調したデザイン、など

どこもかしこも一切の妥協なくデザインされ、住む人の暮らしや住みやすさを徹底的に考えぬいた住宅計画です。
またその計画を建築物として実現した、宮大工でもあった棟梁の技能の高さに驚かされます。


「聴竹居の保存活動」 についても教えていただきました。
一般に、重要文化財になると、見学者の増加やマナーをめぐって、近隣住民からクレームが起こり、保存団体と住民との対立もよくあるそうです。

ここでは近隣住民の大半が聴竹居倶楽部のメンバーとなり、ガイドや案内に参加しています。つまり保存活動に住民を巻き込むことでクレームは起こらず、地域が一体となり積極的に重要文化財を守るというシステムをつくり、成功しているとのこと。
少子高齢化の日本において、地域のあり方が問われる昨今ですが、文化財を守ることを通して住民が一体となるというこのシステムはとても興味深く感銘をうけました。


丁寧にご説明をしていただき、とても勉強になりました。
ゼミ学生も事前にレポートを作成して予習し伺いましたが、やはり実物を見学したことと、細やかに説明いただいたことでより深く学ぶことができたようです。
田邊さま、ありがとうございました。

聴竹居4
  

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鴨川沿いマンションをセカンドハウスへ、リノベーション 「住計画演習Ⅰ」課題発表会

2019年09月01日

京都ノートルダム女子大学 福祉生活デザイン学科では、

住居学を学ぶことができます。

住居・建築系の指定科目を履修すると、二級建築士受験資格、インテリアプランナー登録資格を得ることができます。
インテリアコーディネート受験の支援もしています。

住居学分野の専門科目、「住計画演習Ⅰ」を紹介します。科目担当の岸先生は建築設計事務所の建築士です。

3年次生の前期に履修し、自由設計課題に取り組む演習科目です。


課題は、「鴨川沿いのマンション、最上階をセカンドハウスにリノベーション」 です。

 実在する鴨川沿いのマンションの図面をもとに、
 鴨川の景観を楽しめるテラスを計画に組み込み、
 家族構成、各室への居住者の要望にみあう設計計画をするものです。


平面図、外構計画、図書着色表現、パースを作成し、最後に作品の発表(プレゼン)をします。

プレゼン風景
(7/25のプレゼンの様子:互いの作品発表についてディスカッション)

学生作品の例(大平さん)
(学生N.Oさんの作品)


イメージの青写真を描き、それに近い参考事例を探し計画を練り、図面を作成、熱心に取り組みました。

岸先生からの総評は、

スケール感をもった間取りの計画はできていました、
さらに、各個人の好み(趣味)の範囲から、客観的なセンスの良さへと感性を磨いていくこと、
相手(お客様など)に自分の考えをうまく伝えて、
自分の提案するものにより魅力を感じてもらえるようなプレゼンテーションをすること
などを期待します、とのことでした。


後期、引き続き「住計画演習Ⅱ」があります。どんな作品ができるか楽しみです。




  

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祇園祭 京町家(杉本家住宅)を見学しました。 #祇園祭 #京都 #町家

2019年07月21日

京都ノートルダム女子大学、福祉生活デザイン学科は、

衣、食、住、家族、福祉をすべて学んだ上で、自分の関心を見定め、専門分野を選択し、キャリアにつなげていくことができる学科です。


7月の京都は「祇園祭り」です。

住環境ゼミでは7月10日に、祇園祭祭創始1150年記念「祇園会 屏風飾り展」に特別公開の

杉本家住宅(重要文化財)を見学しました。

杉本家入口


典型的な京町家であること、庭が多いこと(名勝指定)、蔵が多いことが特徴です。

京町家は6月初旬に建具替が行われます。

杉本家住宅も戸は簾戸に、襖障子は外され簾が吊られ、畳に籐筵の上敷と、夏仕様の室礼に調えられていました。

簾戸やすだれは風通しの良さもさることながら、庭木や苔の緑、簾戸を通しての光の陰影などは視覚的にも涼感が得られます。

また庭には大きな氷柱、赤い金魚が泳ぐ睡蓮鉢、夏を涼やかに快適に暮らす住まい方に心の豊かさを感じました。


屏風は俵屋宗達によるものなど、鴨居に届く大きなものが多く、襖代わりに用いられるため引手が付けられているものもあるとのことです。

台所(走り庭)はガスを引き込んだ4つの竃口が設置されていましたが、現在のキッチンのコンロの高さに比べてかなり高めでした。吹き抜けの天井は、太い立派な牛梁に縦横に組まれた小屋組みで、煙出しの小窓や高窓のためか明るく軽快な印象でした。


仏間は、見学時は網戸で閉じられていました。
祇園祭の時期は、神様をお祭りするので、その間仏間は閉じるのだそうです。

また、仏間の前には地下室(石室)があります。これは仏壇を災害から守るためだそうです。地下室の蓋には油団(ユトン)が敷かれています。油団は重ね合わせた和紙の表面に油、柿渋を塗った床敷物です。



八畳の間の床の間に、祇園祭の山鉾のひとつ、「伯牙山」の掛け軸が掛けられ、琴が展示されていました。

ここ杉本家住宅は伯牙山の準備をする場でもあり、店の間にご神体の展示がされるそうです。


丁寧にいろいろと教えてくださったガイドの方々、どうもありがとうございました。

杉本家住宅前で


7月10日は、祇園祭の山鉾を組み立てる「山鉾建て」の日です。

写真は 道中、「鶏鉾」の組み立て作業に遭遇しました。

組み立て中②

組み立て中①


新しい縄を使い、一から組み立てていく様子に驚きました。

京都は 祇園祭一色になります。





  

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